ノンアジャスタブル固定ロッドです。軽くて硬いカーボン材です。現在は調整可能なアジャスタブルロッドが主流ですが、ネック内部の空洞部分が少ないため、音の伝達にはこの固定ロッドが良いとされています。
■ 仕様 : ネック補強用 ( 固定ロッド )
■ 形状 : 細長
■ ネック反り調整機能 : なし ( ノンアジャスタブル )
■ 材質 : カーボン ( 炭素系 )
■ サイズ :約6.5mm x 約5.1mm
■ 長さ : 約63cm
■ 重さ : 約33g
送料 1100円
□□□ トラスロッドの種類について
1Way シングルアクション
最もシンプルな“アジャスタブル”トラスロッド、つまり調整可能なトラスロッドです。動作原理は先ほど説明した通りで、1Wayの名の通り、基本的に順反りを補正することにしか使用できません。楽器の製作過程次第で、僅かながら逆反りを順反りに補正する「疑似2Way」的な効果を持たせられなくはありませんが(逆反り平面出し)、あまり大きな効果は期待できません。ただしその単純な構造ゆえに信頼性も高く、キックポイント(トラスロッドの利きが一番大きくなる部分)を任意で決められることも大きなメリットです。
1Way チャンネルロッド
鉄の棒だけだった先ほどのトラスロッドの改良型で、シングルアクションロッドがコの字のアルミ棒(アルミチャンネル)に組み込まれているため、強度が向上しています。チャンネル内のロッドは最初から湾曲した状態で組み込まれているので、ネックにまっすぐな溝を掘りそのまま組み込むことができ、製作時の作業性も格段に向上しています。埋め木も必要ないので、製作側から見てもありがたいタイプでもある反面、基本的に先述の逆反り平面出しはできません。2006年頃までのMartinや一部の古い国産アコギで使用されています。
2Way ダブルアクション
順反りにしか対応できなかった1Wayトラスロッドの改良型で、逆反りを順反り方向に補正する機能が追加されたタイプです。レンチを受けるナットがトラスロッド本体に溶接されていて、左右どちらに回しても外れなくなっていることに加え、上下2本の金属棒で構成するダブルロッド構造を取ることで、ナットを回転させて上下の棒に生まれた長さの差を利用して反りを補正できる構造になっています。
チャンネルロッド同様に埋め木を使わず仕込むことが可能で非常に便利な反面、各部の溶接個所の施工が甘いとそこから破断する可能性があるため、製作者側はロッドのメーカー選びに苦心することもあります。また、このタイプと同じような見た目・構造のダブルロッド1Wayアクショントラスロッドも存在して複雑ですが、これは先端のナットを取り外せるかどうかで判別できます。
2Way ホットロッド
上記のダブルロッドタイプを発展改良させたような2Wayトラスロッド。ブラス(真鍮)製のブロックを使い、ダブルロッドタイプではナット含め3か所あった溶接箇所を1か所に留め、上側と下側のロッドの強度差を無くすことで強度・耐久性が向上しています。ただしその分トラスロッドを仕込むための溝を深く掘る必要が出てくるため、薄いネックには使いづらいという問題もあります。とはいえその信頼性は非常に高く、愛用している個人製作家も多いようです。
ノンアジャスタブル (Tバー)
その名の通りT字の断面を持つトラスロッドです。原始的と紹介した1Wayタイプより更に原始的なトラスロッドで、平たく言えばただのT字の鉄の棒です。弦の張力に対する抵抗力という意味ではかなり強い部類ではありますが、後から補正を行うことができないので、一定以上の反りが発生した場合、フレットすり合わせをはじめとする大掛かりなリペアが必要になる場合もあります。腐食を除けばトラスロッドそのものが破損する確率はほぼゼロですが、T字の溝をネックに掘らなければならないこともあり、製作者側にとっては面倒な作業が要求される仕様となっています。プリウォー等、かなり古いMartinで使用されていました。
ノンアジャスタブル(スクエア、SQ)
60年代に先述のTバーから仕様変更する形でMartinが導入した新型トラスロッドです。実際はただの四角い鉄の棒で、ネックの補強用ではありますが、ネックの反りを調整する機能はありません。