ギターブリッジ作成用材です。木材はリッチライトです。パルプとフェノール樹脂から作られる人口素材です。近年良質なものが入手しづらくなってきているエボニー材の代替品として一部メーカーに使用されています。接着作業の際は、成形時の離型剤が表面に残っている場合がありますので、使用する際は 接着面側を紙やすりなどで削ってから接着してください。
■ 仕様 : アコギ ブリッジ材用
■ 材質 : リッチライト
■ サイズ : 縦 200mm、横 48mm
■ 厚み : 約11mm
■ カット : ラフカット
<リッチライトについて>
「リッチライト(richlite)」は主にギターの指板材として用いられる人工素材。パルプ繊維を圧縮したものにフェノール樹脂を混ぜカーボンで着色した人工樹脂です。エボニー指板の代替として使われることが多いです。この素材は1943年に設立されたアメリカのRichlite社が製造しているもので、もともとは工業用工具を作るために開発されたといいます。その後は航空・宇宙産業や建築、デザイン、自動車製造など様々な分野で用いられ、近年になってギターの指板材としても注目されるようになりました。
エボニー材は絶滅が危惧されている木材の一つであり、ギター業界としても限られた供給の中で代替素材を見つけることが急務とされていました。そんな中でエボニーの代わりとして注目されたのが持続可能な素材であるリッチライトです。大手メーカーでは、Gibsonが2012年頃から2018年頃までレスポールカスタム等の一部のモデルの指板材としてエボニーに代わってリッチライトを採用。様々な代替素材の候補の中から度重なるテストの末、ルックス面でもサウンド面でもエボニーと大きな差がないことからリッチライトが新たな材として採用されたといいます。
<参考 ブリッジの作り方>
■ 作業時間 : 3時間
■ 使用用具 : バンドソー、クランプ、トリマー、ハンドドリルなど
ブリッジを自分の好みの形に作る場合は、この板材を用いて初めから作ってゆきます。オリジナルシェイプのブリッジにトライしたい方、マーチンタイプが好きでない人、オベーションやローデンのタイプのようにブリッジピンがなく、横から弦を通すタイプが好みなどの人は、この板材から作ってゆけますので、クラフトワークシップ的にも非常に魅力的です。
作業工程的には、サドル溝を掘る→ブリッジピン穴を掘る→外形を整える この順番が良いと思います。外形を先に作ってしまうと、サドル溝やブリッジピン穴の位置が微妙にずれた場合、調整がおこないにくくなりますので、基本的にはサドル溝の位置を中心に作ってゆくことをお勧めします。
サドル溝はまずサドルの厚みをどれだけにするかを決めることから始めます。サドルの厚みは一般的には2.5mm、2.7mm、3.0mmが多いですが、オクターブ調整をするには厚みが多いほどやり易くなるので、3.0mm厚をお勧めします。3.0mmのビットを使い、トリマーなどでサドル溝を掘ってゆくことになりますが、その際にはしっかりと板材を固定し、トリマーガイドを用いて慎重に掘ってゆきます。トリマーはスロースタートタイプがより安全なのでお勧めです。掘る深さは5mm程度となります。
サドル溝が掘れたら次はブリッジピン穴を掘ります。穴の位置は中心から10mm程度の間隔でマークしておきます。ハンドドリルを用い2mmのビットで慎重に穴を開けてゆきます。位置がずれないように慎重に開けますが、万一ずれた場合は位置修正を行いながら間隔が10mmになるよう空けてゆきます。最終は4mmビットで開け。微調整はリーマーを使います。
サドル溝とブリッジピン穴が出来たら、次はブリッジ外周を成形します。好みのシェイプにバンドソーやハンドソーなどを用いてカットし、棒ヤスリ等で形を整えてゆきます。最終的にはペーパーヤスリで研磨し成形終了となります。