スクエアー型で標準タイプより全体サイズが約1mm大きい「オーバーサイズ」です。標準サイズのブリッジを剥がした後に発生する、周辺の汚れを隠しやすいサイズです。デザインは戦前モデルなどに多用されたシンプルなスクエアー型です。素材はエボニー、表面は無塗装です。ブリッジはギター弦の振動を表板に伝える重要な役割を持っています。ブリッジのデザインは個人製作家を含めると様々ありますが、まずはこのタイプを基準にされると良いでしょう。ブリッジピンの間隔も標準です。ピン穴が小さい場合は、リーマーなどを使い調整します。ブリッジは大き過ぎたり厚過ぎても音に影響が出ますし、逆に小さ過ぎたり薄過ぎると、ブリッジの剥がれに関係してきます。オリジナルブリッジを作成する場合は、サイズや厚みを適正の範囲にすることが重要です。尚、木目は写真と異なる場合がありますのでご了承下さい。
■ 仕様 : アコースティックギター用
■ 材質 : エボニー
■ 形状 : 大きめスクエアー型
■ 研磨 : なし
■ 塗装 : なし
■ サイズ : 横 約15.4cm、縦 約2.5cm (大きめ)
■ 厚み : 約0.9cm
■ 溝 : 幅 : 約71mm , 深さ 約4.0mm, 厚み 約2.5mm
■ 弦間隔 : 約11mm
■ 弦間隔トータル : 約56mm
■ ピン穴貫通 : なし
■ 穴中央~溝迄の間隔 : 1弦側 約13mm、6弦側 約10mm
■ 溝~端迄の間隔 : 1弦側 約5mm、6弦側 約8mm


<エボニー材について>
□ カキノキ科
□ 気乾比重 : 0.85~1.09
□ 産地: 東南アジア、インド、スリランカなど
ギターの指板やブリッジの材として使用されます。 以前は全体が黒色のエボニーがよく使われていましたが、良材の減少により最近ではエボニーといえば茶色の縞の入ったマッカーサー・エボニー(Macassar Ebony)のことを指します。インドや東南アジアに多く分布しているカキノキ科の木材で、ギターでは「ブリッジ」や「指板」に多く使用されています。
黒タンと呼ばれるほど“黒い”ものが一般的でしたが、最近では茶色で縞模様の木目の入ったもの(マカッサー・エボニー)が主流になりつつあります。重い材で、音色も重くて丸い温かいのが特徴です。見た目ほどヌケは良くないようですが、キンキンした音が苦手な人にはオススメです。
カキノキ科。アフリカ・南アジア・東南アジ アなどに分布する広葉樹。黒檀とも呼ばれます。ギターでは主に指板、ブリッジなどに使用されます。ペグやブリッジピンなどの高級ギター用品や、以前はネックの強度を上げるためのロッドなどにも使われました。現在では希少な樹木とされています。縞の入ったマカサーエボニーもあります。
果物のカキのことは、よく知られていますが、コクタンと呼ばれている木材が、カキの仲間からの木材ということはあまり知られていないでしょう。事実、コクタンの取れる樹木を、結実期にみると、大分日本のカキとは違いますが、それでも立派な大きなカキをつけていることがあります。
コクタンは、シタン、コクタン、タガヤサンで知られる唐木の代表的なものの一つです。今日では本コクタンと呼ばれる真黒な木材をみることは、非常に少なくなり、あるとすれば、小さな細工物になっているものが大部分でしょう。
その真黒なものはD. ebenumのような樹種から採取されていますが、もうほとんど大木はなくなってしまっているでしょう。もっともエボニーというのは真黒なものが本来的なものでしたが入手し難いことと、どちらかというと、縞がある方が現在では好まれます。
かつて低質のエボニーと考えられていた桃色の地に黒色の縞があるD.discolorのような木材の方が装飾的な用途に用いられているようです。「エボニー」はコクタンに対する英語と考えてよいでしょう。この類の木材はアフリカ、熱帯アジア、ニューギニアなどに産します。
心材は樹種により桃色と黒色による縞状(D.discolor) 、真黒色(D.ebenum) などがあります。辺材はほとんどが灰白色です。一般に木材は重硬で、気乾比重は1.09(D.discolor) 、1.05(D.ebenum) です。木理は通直ですが、不規則なこともあります。肌目は精で、光沢があります。用途としては 唐木細工、彫刻、錠作、象嵌、絃楽器の部品、ピアノの鍵、ブラシの柄、スライドベニヤ、家具などに用いられます。

<参考 ブリッジの作り方>
■ 作業時間 : 3時間
■ 使用用具 : バンドソー、クランプ、トリマー、ハンドドリルなど
ブリッジを自分の好みの形に作る場合は、この板材を用いて初めから作ってゆきます。オリジナルシェイプのブリッジにトライしたい方、マーチンタイプが好きでない人、オベーションやローデンのタイプのようにブリッジピンがなく、横から弦を通すタイプが好みなどの人は、この板材から作ってゆけますので、クラフトワークシップ的にも非常に魅力的です。
作業工程的には、サドル溝を掘る→ブリッジピン穴を掘る→外形を整える この順番が良いと思います。外形を先に作ってしまうと、サドル溝やブリッジピン穴の位置が微妙にずれた場合、調整がおこないにくくなりますので、基本的にはサドル溝の位置を中心に作ってゆくことをお勧めします。
サドル溝はまずサドルの厚みをどれだけにするかを決めることから始めます。サドルの厚みは一般的には2.5mm、2.7mm、3.0mmが多いですが、オクターブ調整をするには厚みが多いほどやり易くなるので、3.0mm厚をお勧めします。3.0mmのビットを使い、トリマーなどでサドル溝を掘ってゆくことになりますが、その際にはしっかりと板材を固定し、トリマーガイドを用いて慎重に掘ってゆきます。トリマーはスロースタートタイプがより安全なのでお勧めです。掘る深さは5mm程度となります。
サドル溝が掘れたら次はブリッジピン穴を掘ります。穴の位置は中心から10mm程度の間隔でマークしておきます。ハンドドリルを用い2mmのビットで慎重に穴を開けてゆきます。位置がずれないように慎重に開けますが、万一ずれた場合は位置修正を行いながら間隔が10mmになるよう空けてゆきます。最終は4mmビットで開け。微調整はリーマーを使います。
サドル溝とブリッジピン穴が出来たら、次はブリッジ外周を成形します。好みのシェイプにバンドソーやハンドソーなどを用いてカットし、棒ヤスリ等で形を整えてゆきます。最終的にはペーパーヤスリで研磨し成形終了となります。




















































