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コラム フォーク

 

吉田拓郎

 

フォーク史にはのいくつかの転換期があります。 中でも、吉田拓郎の登場とその活動はフォークシーンの最大の山場と言えます。1970年代初頭、マイナージャンルであったフォークをメジャーに押し上げます。 時代の追い風も向かい風も受けながら、最前線を駆け抜けシーンを切り開きます。彼は1946年鹿児島に生まれ、広島で育ちます。 1966年にコロムビアのフォークコンテストに出場します。 そこでは自作曲「土地に柵する馬鹿がいる」を歌います。 4人組のダウンタウンズ結成後、1968年には広島フォーク村のリーダーとして活躍。

 

この時期から地元では熱狂的な人気を得ています。 エレックレコードから広島フォーク村名義のアルバムを出します。 「古い船をいま動かせるのは古い水夫じゃないだろう」のリリースとなります。 エレックは拓郎個人を売り出す方針を決め、1970年の「青春の詩」発売となります。以降はテレビへの出演拒否、ラジオのパーソナリティとしての活躍があります。 さらには、コンサートツアースタイルの構築、アーティストの権利意識に寄与します。 ビジネスとしての確立などもあります。


そしてレコード会社の設立とデビューからの5年間に切り開いた功績もあります。 多方面で音楽シーンへの影響は計り知れません。 何よりプロテストソング全盛だったフォークシーンを変えたことは大きいです。 「青春の誌」の冒頭、表題曲で歌われる青春像は、ごく普通の同世代の心情です。 吉田拓郎は彼らの支持を一心に受けます。 1970年安保の敗北、学生運動の退潮と入替る様に、新時代のカリスマとなります。


熱狂的な女性ファンの存在もそれまでのフォークにはありませんでした。彼は商業主義の否定がフォークの基本姿勢であった状況にも異を唱えます。 CMソングや歌謡曲への楽曲提供にも積極的に関わります。 一方では「自身の思いを自身の言葉で歌にする」という姿勢は守り続けます。 それはフォークが「我々の歌」から個人の歌へ大きく転換する契機でもありました。 膨大な言葉数を早口で歌う拓郎節は字余りソングとまで言われました。 音符一つに一シラブルしか乗らない日本語詞の限界をぶち破ったのも彼でした。


それでも中身はあくまで個人の歌でありました。 言葉を伝えるメロディーの圧倒的な親しみやすさが彼の曲にはありました。 それが多くの若者に支持された理由の1つでもあります。 ワンフレーズで拓郎だとわかる独創的な曲ながら誰にでも歌える魅力がありました。

 

 


「青春の詩」

 

叩きつけるように歌うスタイルで、 青春の衝動を情感そのままに。 青春期ならではの虚無や焦燥が描かれる「今日までそして明日から」。 同世代の若者の感情を直撃「青春の詩」。 字余りや歌詞のレトリックも気にしないスタイルです。 速射砲のように浮かぶ言葉がそのまま歌になります。 ディランの影響を受ける「イメージの詩」。 猫がカバーしたボサノバの「雪」 ジャージーな「灰色の世界」 サウンド面のバリエーションも豊富です。


エレック 1970年

・青春の詩
・とっぽい男のバラード
・やせっぱちのブルース
・野良犬のブルース
・男の子・女の娘
・兄ちゃんが赤くなった
・雪
・灰色の世界
・俺
・こうき心
・今日までそして明日から
・イメージの詩


「人間なんて」 エレック 1971年

・人間なんて
・結婚しようよ
・ある雨の日の情景
・わしらのフォーク村
・自殺の詩
・花嫁になる君に
・たくろうチャン
・どうしてこんなに悲しいんだろう
・笑えさとりし人ョ
・やっと気づいて
・川の流れの如く
・ふるさと


「元気です」 CBSソニー オデッセイ 1972年

・春だったね
・せんこう花火
・加川良の手紙
・親切
・夏休み
・馬
・たどりついたらいつも雨降り
・高円寺
・こっちを向いてくれ
・まにあうかもしれない
・リンゴ
・また会おう
・旅の宿
・祭りのあと
・ガラスの言葉

 

 

 

 

 


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