ホーム home << クロス cloth << #3610-m セーム革 DS25 45cmx50cm相当
仕様 : 汎用クロス
材質 : 鹿皮 ( キョン種 )
サイズ : DS25 ( 約45cm x 約50cm相当 )
染色 : なし
サイズは約45cm x 約50cm相当で、ギター全体をメンテナンスするのに適したサイズです。鹿1頭分の皮を無駄なく使用するため正方形ではありません。最高級キョン種の鹿皮を使用した極上クロスです。クロスの中でも鹿皮のものを「セーム革」と言います。国内の皮革製造メーカーで厳しい品質管理のもと製造されています。0.0000015mmという非常に細かな繊維細胞(人口繊維で極細と言われるもので0.002mm)で楽器に傷をつけず汚れや水分、油分を拭き取ります。セーム皮に含まれる天然コラーゲン成分により楽器に潤いを与えます。アコースティックギターに限らず、バイオリン、管楽器、ピアノなどの楽器はもちろん、メガネやカメラ、レンズ、貴金属のお手入れにもご利用頂けます。セーム皮が汚れた時は、ぬるま湯で石鹸を使い洗って再び使えます。9割ほど乾いた時にもみほぐすと柔らかくなります。通常のご使用で10年以上効果が持続します。
サイズにつきましては、鹿1等分の皮を無駄なくカットするため正方形ではなく、サイズ表示も大まかなものとなりますので、ご了承ください。
セーム皮について
サイズについて
本製品は鹿1頭分の皮を無駄なく使用するため「一枚物」を使用しております。「一枚物」とは鹿一頭分の皮を無駄なく使用した皮のことを言います。そのため形状は正方形ではありません。
素材について
本製品はセームとして最高級といわれるキョン種(世界最小の鹿)の革を使用しています。皮の表面には鹿同士が傷つけあった傷跡が残っている場合がありますが、これこそが本物の証です。参考までにキョンは非常に気性の荒い鹿です。
セーム革の定義
以下の条件を全て満たしていないとセームではありません。類似品にご注意下さい。
・鹿革を使用していること(キョン種が最高級)
つまり豚革や羊革を使用したものはセームではありません。鹿革(特にキョン種)とでは繊維細胞のきめの細かさが違います。
・アルカリ膨潤なめしを施し、魚油還元を施したもの
つまりどちらかの工程を省いたものはセームではありません。滑らかな手触りにするうえで欠かせない工程です。
・染色していないもの
つまり黒や赤などに染められたものはセームではありません。染色することで魚油還元時に吸収されたコラーゲン成分が抜けてしまいます。
・吟面(鹿の1番表側の革)を使用していること
つまり中面や中床面を使用したものはセームではありません。吟面のみがキョンセーム独特の能力を100%発揮します。
キョンとは
中国東部に生息する偶蹄目シカ科の動物です(学名Muntiacus reevesi)。体長は80cm〜87cm位でちょうど柴犬くらいの大きさです。体色は褐色で額から顔にかけては黒褐色です。オスには短い角があり、基部で枝分かれしています。眼下線が大きく、目のように見えるのでヨツメジカとも呼ばれています。かわいらしい顔をしていますが牙のような犬歯を持っており、気性はとても荒いです。
参考 キョンセームができるまで ( 提供:HOSCO )
1. 原皮の輸入
まずキョン原皮メーカーで原皮を確保します。
中国江西省のものが最高級。乾皮の状態で輸入し、産出量の99%を輸入しています。またほぼ100%のキョンセームをこのメーカーで生産しています。この原皮からすべてが始まります。
(台湾製はキョンの親戚で皮質はかなり劣ります)
2. 軟水戻し〜洗浄
ミキサードラムで軟水戻しした後、汚れなどを洗います。その後、フレッシングマシーンでキョンセームを作るうえで不必要な毛と最上部表皮・脂肪を取り除きます。
3. なめし工程
キョンセームのなめしドラムを使用して1度に350枚程度の皮をなめします。
なめし工程は独特で基本的にアルカリ膨潤なめし+ホルマリンなめしを施し、その後乾燥し、再度このドラムにいれ鱈肝油魚油還元なめしを行います。
この工程の所要時間は80時間にもなります。
またこのなめし処方は完全に門外不出でこのメーカー独特のものです。
4. 乾燥・ピッキング
乾燥・ピッキングを数度繰り返します。
ピッキングとは細胞を広げていくことと、繊維を揉み解すことにより、やわらかさと耐久性をもたらす作業です。ちなみに基本的には乾燥を5回、ピッキングを3回行います。ただ同じ効果をもたらすボールドラミング・ステッキングドラミング等も処方します
5. 最終魚油還元
最終魚油還元作業終了です。
この時点でセーム独特のクリーム色が発色します。キョンセームは染色したものではありません。自然発色です。
6. 乾燥・空打ち
魚油還元後の乾燥、
角突起ドラムでの空打ち処理、
再自然乾燥を行います。
7. ミリ合わせ
スライジング・マシーンを使って目的に応じた厚みに合わせてスライスしてゆきます。
この時1枚の皮が平均3枚の皮に分かれます。下記のような3面になり、価格は元の1枚を便宜上1,000円とし、価値換算した金額です。
8. 最終研磨処理
使用目的により最終研磨処理の処理方法は異なります。非常に高度な技術と機械が必要です。
その後、網ドラムで研磨後のセーム粉を取り除きます。しかしこの時に100%セーム粉を取り除くことは出来ません。100%除去するとキョンセームの形が崩れ商品としての見栄えが悪いものになります。
9. 最終仕上げ
ロールプレスアイロンで表面粒子を整え最終仕上げをします。この後折りたたまれ、パッケージングした後、全国の楽器店さんなどへ出荷されます。
キョンセーム革の育て方
「キョンセーム」はお使い頂く方に100%の性能を発揮出来るよう、育てて頂くものです。より良いキョンセームを育てるコツはとても簡単です。つまりは「頻繁に使って頂くこと」この1点に尽きます。使えば使うほど味が出て良い革になります。もちろん楽器以外のもの(メガネ、カメラ、CDなど)にもお使い下さい。そうすることにより使用頻度も上がり、「キョンセーム」の良さをより知って頂くことが出来ます。使用頻度が上がっても楽器に悪影響を与えることはありません。尚、洗うときに注意して頂きたいことは、絶対に60℃を越す温度のお湯では洗わないことです。「キョンセーム」は人の肌と同じと考えて下さい。人の肌に悪いものは「キョンセーム」にも悪いです。そして必ず陰干しし80〜90%乾いたときに良く手で揉んで頂く、この2点を守って頂ければより長くお使い頂けます。このように使っていくうち、貴方だけの「キョンセーム」が出来上がります。
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